工業分野の検査治具の役割とは

主に工業分野では、検査治具という道具が使用されることがあります。機械や人の手で作り上げた製品や部品は、一定の規格に収まっている必要があります。けれど機械も人も常に完璧な精度で作ることができるわけではありません。もし規格から外れた誤差を持った部品をそのまま使用すると、他の部品と上手くかみ合わなかったり、不具合が起こったりする恐れがあります。

そこで精度がしっかり基準に収まっているかどうかを確認するために、検査治具を使用します。製品の形に合わせた校正の道具で、仕上がったものをそこにはめ込めるかどうか、隙間ができないかどうかで誤差を確認するものです。最初から特定の形に作られているものと、部品を組み替えることで色々な形に対応できるものに分かれます。シンプルな形状であれば、デジタルノギスなどでも誤差の確認をすることは可能です。

しかしデジタルノギスでは、あくまでも製品の幅程度しか測定することができません。また確認する部分が多ければ、その分時間と手間がかかります。けれど検査治具だと、あらかじめ決まった形に仕上がっているため、カーブの度合いや奥行きなど複雑な形にも対応可能です。さらに数値を確認するのではなく、検査治具にしっかり収まっているかどうかを確かめるため、構成作業の効率化が期待できます。

また三次元測定機でも誤差の確認は可能ですが、測定には時間が掛かるため量産には適していません。その点校正作業自体がシンプルな検査治具の方が、向いていると言えるでしょう。

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